Learn
NISAって何?
NISAは投資商品ではなく、対象商品の売却益や配当・分配金が一定の条件で非課税になる制度です。商品が値下がりすれば損失は生じ、損失の税務上の扱いにも制約があります。2つの投資枠と利益・損失の違いを例で確認しましょう。
執筆者:りょう先生
最終更新日:2026年10月31日
まずは会話でつかもう

イチゴくん
NISAを使えば、投資で損しないの?

ピーチちゃん
NISAは商品そのものじゃなくて、利益の税金に関わる制度なんだね。

りょう先生
そう。対象の利益は非課税になる一方、値下がりによる損失は残るよ。
この記事でわかること
- 1NISAは対象となる売却益や配当・分配金が一定の条件で非課税になる制度。
- 2元本割れはあり得て、NISA内の損失は課税口座の利益と損益通算できない。
- 3年間投資枠と非課税保有限度額の違い、商品や配当の条件を確認する。
Visual guide
2026年のNISA:2つの投資枠
それぞれの年間投資枠は併用できます。数字は購入額の上限で、使い切る必要はありません。
つみたて投資枠:年120万円
一定の投資信託などを積立で購入
成長投資枠:年240万円
対象となる上場株式や投資信託などを一括・積立で購入
併用で年360万円まで。非課税保有限度額は合計1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)。商品が値下がりすれば損失は生じます。
NISAは非課税制度。損失への制約もある
NISA(少額投資非課税制度)は、NISA口座で条件を満たして購入した対象商品の売却益や配当・分配金を非課税にする制度です。NISAそのものは株式や投資信託という商品ではありません。対象商品でも値下がりすれば損失が生じ、損失は制度で補填されません。NISA口座の売却損失は税務上ないものとされ、課税口座の利益・配当との損益通算や翌年以降への損失の繰越控除はできません。非課税のメリットは対象の利益が生じた場合に関係します。
投資対象によって値動きなどのリスクは異なります。売買手数料や投資信託の保有中の費用などがNISAによってなくなるわけでもありません。
考えてみよう
利益が出た場合と損失が出た場合
10万円で購入した上場株式を売却する架空の例です。課税口座は譲渡益について所得税・復興特別所得税15.315%と住民税5%の合計20.315%を使い、手数料や他の取引を省略した概算です。
12万円で売却
利益2万円
NISAでは条件を満たす利益が非課税。課税口座では税金4,063円、税引後利益15,937円
8万円で売却
損失2万円
NISAでも損失は発生し、課税口座の利益との損益通算・繰越控除はできない
NISAは利益への税制上の制度です。元本保証ではなく、税金が戻って損失が補填される仕組みでもありません。
次にやってみること
- 金融庁のNISA公式情報で対象商品と制度の条件を確認する
- 上場株式の配当を受け取る場合は、金融機関で受取方式を確認する
2つの投資枠と対象商品
つみたて投資枠は年120万円まで、長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託などを積立で購入する枠です。成長投資枠は年240万円まで、対象となる上場株式や投資信託などを一括または積立で購入できます。金融機関ごとの取扱商品も確認しましょう。両枠は併用でき、合計の年間投資上限は360万円です。成長投資枠は「成長株」だけに限られず、両枠とも対象外の商品があります。投資額は上限まで使い切る必要はありません。非課税保有期間は無期限です。
年間投資枠と保有限度額はどう違う?
年間投資枠は、その年に新たに買い付けられる上限です。使わなかった年間投資枠を翌年に繰り越すことはできず、いったん使ったその年の年間枠は売却しても同じ年には戻りません。非課税保有限度額は、NISAで保有する商品の簿価(取得金額)の合計を管理する総枠です。合計1,800万円、その内数として成長投資枠は1,200万円までです。売却した分の取得金額に相当する保有限度額は翌年以降に再利用できますが、年間投資枠の範囲内です。
例えば取得金額100万円の商品を150万円で売った場合、翌年以降に再利用できる保有限度額は売却額の150万円ではなく取得金額の100万円分です。翌年の年間投資枠自体が100万円増えるわけではありません。

イチゴくん
売ったら、その年に使った年間枠もすぐ戻るの?

ピーチちゃん
戻るのは売った額ではなく、取得金額分の保有限度額だね。

りょう先生
そう。再利用は翌年以降で、新たな購入はその年の年間投資枠の範囲内だよ。
配当の受取方法にも注意
NISAで保有する国内上場株式やETF・REITの配当・分配金を非課税で受け取るには、原則、証券会社を通じて受け取る「株式数比例配分方式」を選ぶ必要があります。発行会社から直接受け取る方式などでは課税扱いとなるため、金融機関で設定を確認します。外国株などに外国で課される税金は別途確認が必要です。投資信託の分配金には、利益ではなく元本の払戻しにあたる部分もあります。
NISAを使う前に確認すること
2026年は、利用する年の1月1日時点で18歳以上の日本国内の居住者等が、銀行や証券会社などでNISA口座を利用できます。新たな投資を行う金融機関は、その年につき1人1つです。金融機関は年単位で変更できますが、その年に既に買付けた場合などは手続きに制約があります。2027年1月からは、0〜17歳もつみたて投資枠を利用できる予定です。未成年者は年間60万円、非課税保有限度額600万円で、成長投資枠は利用できないなど、2026年の成人向け条件とは異なります。原則として18歳までは払出しに制限があり、金融機関を変更することもできません。
目的や資金を使う時期、商品と費用、配当の受取方式を確認しましょう。制度情報は2026年11月1日に金融庁・国税庁の資料を確認しました。利用前に公式情報と金融機関の最新案内を確認してください。ここからは運営者個人の経験であり、特定の投資方法を勧めるものではありません。私は日本株をスイング運用する一方、米国株と投資信託では毎月の長期分散積立も行っています。短期売買と長期積立を同じ考え方で扱わないことで、相場を毎日当て続けなければならない状態を避けています。
NISAを使う場合も、非課税という言葉だけで商品を決めるのではなく、何年使わないお金なのか、値下がりしたときに積立を続けられるのかを先に考えるようにしています。
Review
この記事の理解を仕上げる
具体例で振り返り、確認表とクイズで自分の理解を確かめましょう。
具体例でイメージする
NISA口座で国内上場株式の配当を受け取る場合
架空の例として、国内上場株式の配当が1,000円なら、株式数比例配分方式などの条件を満たした場合、国内の税金は差し引かれません。配当の支払いは保証されず、受取方式は金融機関で確認します。
よくある質問
Q. NISAなら損失が出ても税金が戻りますか?
A. いいえ。NISAの損失は、課税口座の利益との損益通算や損失の繰越控除ができず、制度によって補填されません。
Q. NISAは投資商品ですか?
A. いいえ。一定の投資で得た利益が非課税になる制度です。購入する株式や投資信託は別に選びます。
読み終わったら確認すること
すべてにチェックが付かなくても問題ありません。分からない項目を見つけるための確認表です。
理解度チェック
1 / 3問
Q. NISA口座で購入した商品が値下がりして損失が出た場合、どうなりますか?
Resources
根拠と次の学習
公式情報で確認したり、関連する用語・記事へ進んだりできます。
参考にした公式情報
- 金融庁|NISAを知る →
- 国税庁|NISA制度と損失・配当の取扱い →
- 日本証券業協会|NISAのよくある質問 →
- 国税庁|株式等を譲渡したときの課税 →
- 金融庁|NISAの仕組みと配当金受領の留意点(PDF) →
制度・税金・取引ルールなどは変更される可能性があります。最終更新日を確認し、必要に応じてリンク先の最新情報をご確認ください。
この記事に登場する用語
わからない言葉は用語集で意味を確認できます。
次に読むおすすめ
理解を深める関連記事
この記事を共有
あとで読み返したいときや、誰かに教えたいときにどうぞ。